

{かの嘆かわし惑星より、その少年が深遠なる闇に向けて解き放たれた意味を、管制塔のプレゼンターは未だ知らずにいた。「あらゆる星屑達の愛の物語、願わくは限りない時の観測者へ...」いつしか灯り始めた、そんな思念と共に彼らを乗せた超特急は、更なる不条理な ディメンションへと走り去って行った。}
三十秒前
旅立たなければいけないものなのか、本当はよくわからない。
二十秒前
まるで人口爆発の様なプロセスで周囲の物事は進み、気がつくと何故かこの物々しい熱狂ぶり。おかしな世界になっていた。さっきもインタビューで意気込みだの使命だのメッセージだの散々...(泣)
本当にこのままでいいのかい?
何か大切なものが、結構忘れ去られている。
これでは途中で泣きたくなる事必至だな
一五秒前
聞くところに拠ると、この機体の加速は尋常ではなく、
なんだ、色々考えられるのも今のうちじゃないか...
あの星から僕はどのように観測されるのだろうか。流れ星を逆転させたような、いわばSuper Departure!?
五秒前

センチメンタルな別れの挨拶やベタに勇敢なメッセージも無効だ。そうだ、どうせなら、金輪際,誰も目撃することのできない

三秒前
一瞬のきらめきののちに僕は消失する。
右舷後方から伸びる僕からの
一秒前
呼びかける名前が欲しかった。そして、たった一度でいい
。
僕を振り向かせておくれ。

lamentable voyage
中間確認ポイントに向けて 本カプセルは旋回上昇 

「セクションA」了解
管制塔及びコントロールセンターより
「認識番号050」了解
視界は良好 エンジン好調 二時方向に全速前進
[セクションA」了解
管制塔及びコントロールセンターより 交信終了
[セクションA」了解
管制塔及びコントロールセンターより
「認識番号050」了解
視界は良好 エンジン好調 二時方向に全速前進
[セクションA」了解
管制塔及びコントロールセンターより 交信終了
[セクションA」了解
刹那に解きかけたものが 回路に去来して行く
粉雪は七色に…呼びかける名前が欲しい!
粉雪は七色に…呼びかける名前が欲しい!
愛を送る時には 右舷後方でキラキラと
速く過ぎる 星屑の波に 無数のときめきを乗せて
さようなら青い星よ 微笑みと濡れる瞳よ
美しく地平に消える夕日よ
速く過ぎる 星屑の波に 無数のときめきを乗せて
さようなら青い星よ 微笑みと濡れる瞳よ
美しく地平に消える夕日よ
瞬きの隙間に漂う サファイア パール エメラルドの輝き
時の流れだけが寄り添う 嘆きの惑星が呼んでいる
時の流れだけが寄り添う 嘆きの惑星が呼んでいる
最終確認ポイント付近 暗黒星雲
全速前進 [セクションA」…了解
管制塔及びコントロールセンターより
「最終交信050」…了解
全速前進 [セクションA」…了解
管制塔及びコントロールセンターより
「最終交信050」…了解
未来に託されたものが テープに堆積して行く
指先はコバルトに…僕を振り向かせて欲しい!
指先はコバルトに…僕を振り向かせて欲しい!
愛を送る時には 右舷後方でキラキラと
速く過ぎる 星屑の波に 無数のときめきを乗せて
さようなら青い星よ 微笑みと濡れる瞳よ
美しく地平に消える夕日よ
速く過ぎる 星屑の波に 無数のときめきを乗せて
さようなら青い星よ 微笑みと濡れる瞳よ
美しく地平に消える夕日よ

ここがどのような場所かは明かせませんが、この地平からは、先の旅人達を割合ニュートラルな視点で眺める事
が可能なようです。


ぼんやりとした惑星の光がその生き様によってあらゆるスペクトラムにグラデーションして、それはそれは綺麗な絵画なのですよ。
この美しい領域にBEVELという名を付け、終生、愛し、モチーフとして親しんだそうです。
私は遠い昔に母親から
ずっと自転し続けているものもあるのよ」
なんとかしてあげたく
実のところは、おなじ空間さえ共有してはいないのだ
そうです。
唯一無二の管理人と言える「限りない時の観測者」は、
だからこそのこの地平の斜面の美しさなのかもしれませんね。...
個別の物語にゆっくりと耳を傾けてみたいと感じ始めるものなのですよ。
私からの報告は以上です。「限りない時の観測者」さん今まで、全て聞いてくれていましたでしょうか...?
Stardust Bevel
They can’t show jewel 辿り着けはしない 彼らの星々には偽の軌道
闇の次元に取り込まれていく定めだとしても everything is for you
星屑たちのStory 壊れた時を隠せない
Prismで満ちた心に球状星団からのsee the light
そのbevelは憶えこませたゆりかごに
Is it a story? ベクトルは反転し 旅人たちは堕ちて行くの
悲しみだけに制御されている自転だとしたら So I miss you
あらゆる愛のStory 限りない時の観測者へ
終わりなき夢のはじまり 放射状に伸びて探知しあうStarlight
そのbevelに飾りつけたままのゆりかごに
星屑たちのStory 壊れた時を隠せない
Prismで満ちた心に球状星団からのSee the light
新設のsectorへと向かう長大なワームトンネルの本線の道すがら、車窓にはしばらくの間、平和で温厚な某かの居住地区らしき風景が続いた。
それらの空間は決して彼を待っていた訳ではないものの、
古いオルゴールを突然開けたような、かつてない懐かしさと、これまでと趣が異なった尖鋭な孤独感が同時に彼を包み込み
人影は見当たらず、音声も傍受出来なかったが、遙か遠方に立ち並ぶ煙突や
なぜか漂い続ける壊れやすい
生活の一コマまで、
彼のイメージは及んだ。
何者にも支配されない代わりに
何者にも影響を及ぼす事もないエトランゼの想いは、
肝心の「約束」を最後まで言い出せずに
途切れたままの境地を運び
雲一つない空の片隅に散っていった。
意を決し、

次第に見えなくなっていく、懐かしい煙突のある景色
を
今の彼にはできなかった
。
savon ètranger
どぎまぎする内に 過ぎていくね
午後の庇のなか 住宅地で
色褪せた気持ち 閉じたままの風景
シャボン玉のように綺麗… なぜか消える
日付は空の片隅 沈む僕のエトランゼ
途切れた心を飛ばす 昼下がりの街に
花壇の水滴が 虹を架けて
迷い星の風が 吹いてくるね
薄暗い記憶 立ち並ぶ煙突
繋いだのはエトランゼ?シャボン玉のせい?
どこかの船の明かりに よく似た信号機だね
割れる程の悲しみも 風が消し去って行く
日付は空の片隅 沈む僕のエトランゼ
途切れた心を飛ばす 昼下がりの街に
1.嘆きのボヤージュ
2.今宵魔女の館で
3.愛は斜塔の彼方に
4.さようならメルリー
5.星屑の斜面によるAdagio
6.推定無題
7.しゃぼん玉エトランゼ
8.めぐりあう世界
9.名画冬空のアリア
10.超特急は何処へ
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