指輪や五線譜
。
送り込まれた先で交わされる最初のメッセージの準備等はできていた。
愛とは原因とは?。時間とは?この瞬間とは?いずれか… 余の問い掛けに応じる者は、おらぬのか… 昨夜の晩餐会で久しぶ
りにわが実存が発議されたというのに
誰一人まだ気づかぬとは…それならばせいぜい、
宮中では、とうぶんの間あの偽物を高らかに陳列して置くだけで良かろう
。かつての余は此処にはもうないのだから。
時の流れに埋もれ晩餐の夜を出よう
心や魂や叙情性は既に本体から取り外され、
リングの中に隔離した。
それでも未だ見ぬ、
決して出逢えぬそなたの存在はそのように完全に消し去られたはずの心をこの刹那にも捉えて離さない。
未来永劫、様々に形を変えて、
に託せようか…わがレプリカはそなたをそなたと認識できようか…
答えは当初より自明だ。心配の発生する時案ではないだろう
わが完璧なるイメージによって
生まれた、永遠なるそなたは、
遺された毛髪が全てを物語るなら 孫宇宙より遠く 陽電子も届かない
常世の外のリングに在る 窓辺の子守歌は何処へ…
叙情性は無く 輪郭線も無い 惑星大の虚空に玉座と共に浮かぶだけ
水底の宮廷に眠り ただ一人そなたを待ち焦がれ…
20世紀を生きた姫君の好きな 革新技術を以てしても訪れ得ない
棺の中聞こえる余の愛の全て 触れられたことのない我が感覚の全て
夢はやがて雪に涙だけが空に 時の流れに埋もれ 晩餐の夜を出よう
記号的な始まりを持つディベルティメントよ永久に余を救え 愛となれ
早すぎた死から遺される日まで 途切れることなく存在し得る舞台
生きた意味が知りたい 1000年後に行きたい
いつしか降り注ぐ優しい木漏れ日の下で
20世紀を生きた姫君の好きな 革新技術を以てしても訪れ得ない
棺の中聞こえる優しい歌声 決して出会うことのない そなたの真実の愛
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